PS 1000pieces 501-☆501嵐よぶおと すがるおと 月待つなどは 無駄なこと 波のこえを うちききて 幸い待つなど 無駄なこと 「波のうゑに 有明の月を 見ましやは 須磨の関屋に やどらざりせば」2011.07.01 ☆502 いにしえひとの 旅寝のかなしみ うつつのひとの 旅へのおもひは 「夜な夜なの 旅寝のとこに 風さえて はつ雪ふれる 佐夜の中山」2020.12.12 ☆503 たゆたう舟を 抱える千尋の かみ梳く我を 捉える惑いの 胸つくほどに 片割れを追い 鳴きむせびて この身はまた 「水のうゑに うき寝をしてぞ 思ひ知る かかれば鴛(をし)も 鳴くにぞありける」2011.07.04 ☆504 こころの調べを 目で奏で 知ってはいても 涙する 幾尋も海を 越えるとき 知ってはいても たたら踏む 「思ふ事 なくてぞ見まし 与謝の海の 天の橋立 みやこなりせば」2011.07.09 ☆505 こぞとことしの そまをかきわけ こぞとことしの へだてかきわけ 「宮木引く 梓の杣を かきわけて 難波の浦を とをざかりぬる」202012.12 ☆506 こころつくして ときをまてども このみつくして としのふりゆく 「住の江に 待つらんとのみ 歎きつつ 心づくしに 年をふるかな」202012.12 ☆507 わすれることが ぼくへのすくい ほどけることが ぼくへのすくい 「別れ行く みやこのかたの 恋しきに いざ掬びみむ 忘井の水」2021.01.21 ☆508 ここにいるのは ぼくひとりだと あまたのこえは ぼくひとりだと 「さ夜ふかき 雲居に雁も 音すなり 我ひとりやは 旅の空なる」2021.01.21 ☆509 君もひとりか よるのひと月 君はむじんに たびのひと月 「狩衣 袖の涙に やどる夜は 月も旅寝の 心地こそすれ」2021.01.21 ☆510 いまのぼくが かわらないとは いまの旅路が かわらないとは 「松が根の 枕もなにか あだならん 玉の床とて つねのとこかは」2020.02.13 ☆511 はなもみぬまま ときはすぎさり こぞもことしも ときはかさなり 「花咲し 野辺のけしきも 霜がれぬ これにてぞ知る 旅の日数は」2020.02.13 ☆512 つきはひとりで みているとしても ぼくがひとりで みているとしても 「更級や 姨捨山に 月見ると みやかにたれか 我を知るらん」2020.02.13 ☆513 すめばみやこに とどめおくこころ みちゆきのさきに あくがれるこころ 「道すがら 心も空に ながめやる みやこの山の 雲がくれなる」2020.02.13 ☆514 いまはここにて たびの荷をとき またもここにて ぼくは荷をとき 「笹の葉を 夕露ながら 折りしけば 玉散る旅の 草まくらかな」2021.03.05 ☆515 しらずしらずに ここまでながれ しらぬをしらず ここまでながれ 「浦づたふ 磯の苫屋の 梶枕 聞きもならはぬ 波の音かな」2021.03.05 ☆516 どこにいてても つきはでていて なにをしてても つきはみていて 「わたの原 はるかに浪を へだてきて みやこに出でし 月を見るかな」2021.03.05 ☆517 つねならぬことが つねとなるいまの たびならぬことが たびとなるいまの 「定めなき 憂き世中と 知りぬれば いづくも旅の 心地こそすれ」2021.03.05 ☆518 どこへいくのさ ぼくのたび路は だれもしらぬさ ぼくのたび路は 「おぼつかな いかになる身の はてならむ 行くえも知らぬ 旅のかなしさ」2021.03.20 ☆519 まだしらぬ まだわからぬと ながれながれて ゆきつくさきは 「日をへつつ ゆくにはるけき 道なれど すえをみやこと 思はましかば」2021.03.20 ☆520 ぼくはこれから わすれるのだろう ぼくのこれまでを わすれるのだろう 「かくまでは あはれならじを しぐるとも 磯の松が根 枕ならずば」2021.03.20 ☆545 ひともはなにも またもさくから ひとにもはなにも ふたたびあうから 「春くれば 散りにし花も さきにけり あはれ別れの かからましかば」2015.04.13 ☆546 ゆきてかえるは ひともはなをも ことのはうむは ひともはなをも 「行き帰り 春やあはれと 思ふらむ 契りし人の 又も逢はねば」2015.04.15 ☆564 幸いにもまだ あなたの影は 生きていて 幸いにもまだ あなたの形は 生きていて 「いづかたの 雲路と知らば たづねまし つらはなれけん 雁がゆくゑを」2015.02.23 |